短母指伸筋

基本情報

起始橈骨骨幹背側遠位1/3、前腕骨間膜①
停止母指基節骨底背側①
支配神経橈骨神経①
髄節レベルC6~C7①
作用母指MP関節伸展・CM関節橈側外転、補助的に手関節背屈作用①

関連情報

・短母指伸筋は、前腕伸筋群の深層筋の一つである。 ②

・手関節の近位レベルにおける短母指伸筋は、長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱を押さえ込むように巻き込みながら、総指伸筋の深層へと進入する。 ②

・短母指伸筋腱は、長母指伸筋腱とともに第1区画を通過する。 ②

・短母指伸筋腱は、タバコ窩の橈側を構成する腱である。 ②

・タバコ窩内を、橈骨動脈と橈骨神経由来の背側指神経が通過する。 ②

・短母指伸筋は第1区画を通過する。 ②

・短母指伸筋は母指のMP関節の伸展に主に関わり、手関節には補助的に背屈に作用する。 ②

・短母指伸筋は手掌をテーブルに接したまま、母指を橈側に広げる動作に関与する。これはCM関節における橈側外転運動であり、短母指伸筋腱がCM関節の橈側を通過することより生じる運動である。 ②

・橈骨神経麻痺症例の筋肉の回復には順番があり、通常は長母指伸筋よりも短母指伸筋の回復が早い。これは、橈骨神経が分布する順番が、短母指伸筋のほうが早いために起きる現象である。 ②

・ドケルヴァン病では、長母指外転筋とともに疼痛の原因となる筋である。腱鞘の部分だけでなく、筋腹にも圧痛を有する症例が多い。 ②

・短母指伸筋は前腕遠位で長、短橈側手根伸筋腱と交差する。この部分での障害をintersection syndromeとよぶ。 ②

・関連疾患:短母指伸筋腱断裂、橈骨神経麻痺、後骨間神経麻痺、ドケルヴァン病、 intersection syndromeなど。②

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016

②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012

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