基本情報
起始 | 上腕骨外側上顆、外側側副靱帯、橈骨輪状靭帯、前腕筋膜① |
停止 | 示指から小指までの基節骨底に停止後、中心束となり中節骨底に停止する。中節骨に停止する前に外側束を伸ばし、終末腱となり末節骨に停止する① |
支配神経 | 橈骨神経① |
髄節レベル | C6~C8① |
作用 | 肘関節軽度屈曲作用、橈側は前腕回外・手関節橈骨、尺側は前腕回内・手関節尺屈、示指~小指までのMP関節・PIP関節・DIP関節はすべて伸展作用をもつ① |
関連情報
・総指伸筋より伸びた外側束には、虫様筋、掌側骨間筋、背側骨間筋の腱が合流し、互いにPIP関節、DIP関節の伸展運動に関与する。 ②
・総指伸筋腱は、伸筋支帯により構成される第4区画を通過する。この区画は総指伸筋腱に加えて示指伸筋腱も通過する。 ②
・手関節を越えて遠位の総指伸筋腱は、示指から小指に向かって腱を伸ばすが、それぞれの腱は腱間結合により固定されている。 ②
・総指伸筋は、示指から小指までのMP関節を伸展する。肘関節には補助的に進展に作用する。 ②
・PIP関節、DIP関節の伸展は、総指伸筋と手内筋の協同作用によりなされるが、PIP関節、DIP関節の伸展に総指伸筋が優位に関わるのは、MP関節が屈曲位にあるときである。MP関節が伸展位では、中心束、外側束が弛緩しその機能を失う。 ②
・総指伸筋は、個別の指の伸展というより、示指から小指の総伸展作用と捉えたほうがよい。 ②
・力強く握る動作では、手関節の背屈位固定にも関与する。 ②
・上肢外側後の橈骨神経麻痺のチェックには、指の伸展が出来るか否かは重要な観察のポイントである。特にMP関節の伸展が十分にできるかどうかを見ることが大切である。PIP関節等は、手内筋により伸展ができるため麻痺を見落とす場合がある。 ②
・上腕骨外側上顆炎では、短橈側手根伸筋とともに総指伸筋は疼痛の引き金になる場合が多い。 ②
・十分な握力の回復には、深指屈筋、浅指屈筋の強化も大切であるが、手関節の固定に作用する総指伸筋の強化もあわせて必要である。 ②
・前腕回内制限に伴う輪状靭帯の伸張部位として、総指伸筋が位置する区画が大きく関与する。 ②
・関連疾患:総指伸筋腱断裂、上腕骨外側上顆炎、橈骨神経麻痺、後骨間神経麻痺、前腕回内制限など。②
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012
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