基本情報
起始 | 大腿骨粗線内側唇 斜走線維:広筋内転筋腱板を介して大腿内転筋腱① |
停止 | 共同腱(大腿四頭筋腱)への移行後、膝蓋骨を介して脛骨粗面 斜走線維:膝蓋骨内側縁および内側膝蓋支帯① |
支配神経 | 大腿神経① |
髄節レベル | L2~L3① |
作用 | 膝関節伸展、膝関節外反制動作用、下腿内旋① |
関連情報
・内側広筋の筋線維角(pennate angle)は遠位へ向かうほど鈍角となる。 ②
・内側広筋斜走線維の深層には滑液包が広がり、膝関節屈伸時の摩擦軽減に役立っている。 ②
・膝関節の伸展に作用する。また走行上、下腿の内旋、内転作用を有している。 ②
・Knee-in toe-outのアライメントにおける膝関節の安定化には、内側広筋が中心的な役割を果たす。 ②
・内側広筋斜走線維では、膝関節の伸展作用以上に、膝蓋骨の内方牽引力としての役割が大きい。 ②
・内側膝蓋支帯の緊張は内側広筋斜走線維の活動性に大きく依存する。 ②
・下肢障害に対する運動療法の大きな目的に、大腿四頭筋の筋力回復は常について回るが、そのなかでも内側広筋萎縮の早期改善は大きな課題である。 ②
・膝蓋骨不安定症におけるダイナミックスタビライザーとして内側広筋斜走線維の強化は重要である。 ②
・内側膝蓋支帯の癒着は膝関節拘縮の大きな原因となる。その予防には内側広筋斜走線維の早期収縮訓練が大切である。 ②
・膝関節伸展不全(extension lag)と内側広筋の筋活動とは強い関連性をもっている。 ②
・内側広筋斜走線維の筋収縮の誘発には、股関節内転運動と組み合わせの中で実施すると有効である。 ②
・関連疾患:膝蓋骨不安定症、膝蓋骨脱臼、大腿四頭筋萎縮、膝関節拘縮など。②
・内側広筋(VM)は縦走線維(VML)と斜走線維(VMO)の走行の異なる2つの線維群で構成されており、VOMの断面積はVMの約30%であった。③
・VMOの機能は膝蓋骨外側変位の制動があり、膝関節屈曲90°では伸筋としての役割は果たさないが、伸展最終15°域において膝蓋骨を正中へ誘導することで伸展の一助を二担っていると考えらえている。また大腿四頭筋全張力に対するVMの貢献度は約10°であり、VMOのみで膝を伸展することができない。このことから、VMOは他の3筋(VI・RF・VL)の筋収縮に抗して膝蓋骨を中間位に保つとともに、膝の安定性のために機能していると考えられる。③
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 下肢・体幹 第1版,2019
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐下肢・体幹,2007
③監修 福林徹ら膝疾患のリハビリテーションの科学的基礎 第1版.2016
コメントを残す