
基本情報
起始 | 烏口突起① |
停止 | 小結節の延長線上の上腕骨中央内側前面① |
支配神経 | 筋皮神経① |
髄節レベル | C6・C7① |
作用 | 肩甲上腕関節屈曲・内転・水平屈曲① |
関連情報
・烏口腕筋の近位は、上腕二頭筋短頭腱と癒合しており、共同腱(conjoint tendon)として烏口突起に付着している。 ②
・烏口腕筋の筋腹を筋皮神経が貫通している。 ②
・烏口腕筋を貫通した筋皮神経は、上腕二頭筋、上腕筋に分布した後、前腕外側皮神経として肘窩から前腕外側の知覚を司る。 ②
・肩関節下垂位:屈曲作用
肩関節90°外転位:内転作用
肩関節最大屈曲位:伸展作用
肩関節外転外旋位:上腕骨頭を前方から支持する。 ②
・烏口突起付近の疼痛で骨傷がない場合には、烏口突起における付着部炎が考えられる。 その疼痛を誘発している組織として、上方に付着する靭帯が関与しているのか、下方に付着する筋肉が関与するのか鑑別が必要である。 ②
・結滞動作時に肘から前腕外側に疼痛を訴える症例では、烏口腕筋での神経絞扼を疑う。 ②
・反復性肩関節脱臼に対する手術では、烏口腕筋と上腕二頭筋短頭を移行して安定化を図る手術(Bristow法、Boychev法)が一般的に多く行われている。 ②
→反復性肩関節脱臼に対する手術は数多くあり、それぞれ報告を比べても、再脱臼率には大きな差はない。そのなかで烏口腕筋を利用した再建術としてBristow法、Boychev法がある。烏口腕筋と上腕二頭筋短頭を一塊として烏口腕筋ごと切離する。Bristow法では切離した骨片を肩関節前方下方部に移植し、Boychev法では肩甲下筋の下方をくぐらせた後、再度烏口突起に骨接合する方法である。 ②
・関連疾患:烏口突起炎、肩関節周囲炎、反復性肩関節脱臼再建術後、筋皮神経麻痺など。 ②
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012
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