基本情報
起始 | 上腕骨掌側面遠位1/2① |
停止 | 尺骨粗面、肘関節前方関節包① |
支配神経 | 筋皮神経① |
髄節レベル | C5・C6① |
作用 | 肘関節屈曲、前腕の回内位・中間位・回外位のどの肢位でも屈曲筋として働く① |
関連情報
・上腕筋は腱成分が非常に少なく、筋肉全体が筋腹といった形態をしている。②
・上腕筋は浅頭と深頭に分けられ、前者は尺骨粗面へ停止し、後者は鉤状突起から尺骨粗面に至るまでの面に停止することが示された。③
・前方関節包と上腕筋深頭との間には組織学的に直接付着する筋線維はなく、結合織を介した結合様式をとる。④⑤
・上腕筋は上腕骨と尺骨を結ぶ筋肉であるため、純粋な肘関節屈曲作用である。 ②
→触診は、前腕回内を伴った肘関節屈曲う運動を用いると、回外作用を持った上腕二頭筋の収縮を排除して上腕筋の収縮を触知できる。 ②
・関節包に結合織を介して接する筋群は、肘関節屈曲に伴う関節包の挟み込みを自信に近位への滑走とと⑵もに防止している。 ②
・肘関節屈曲拘縮において、上腕筋の線維化は主たる病態の一つである。 ②
・他動的な肘関節屈曲時に肘窩に疼痛を訴える場合には、肘関節内における前方関節包のインピンジメントを考える。 ②
・肘関節30°屈曲位から終末伸展では、上腕骨滑車を中心に矢状面上で上腕骨は大きく走行が折れ曲がり、冠状面上では筋線維が筋膜内を内側へ移動する。この動態は屈曲拘縮症例をみるうえで重要な知識である。 ②
・肘関節屈曲拘縮、筋皮神経麻痺など。 ②
・肘関節前方には上腕二頭筋と上腕筋が存在する。肘関節屈筋群の屈曲筋力発揮における貢献は上腕筋47%、上腕二頭筋34%、腕橈骨筋19%とされ、上腕筋がもっとも純粋な肘関節屈筋として作用する。③
・上腕筋は浅頭と深頭に分かれ、その解剖学的特徴から異なる機能を有する。④⑤⑥ 浅頭は上腕骨前面外側から内側にかけて起始し、一部三角筋と連結している。特に外側部は上腕筋深頭に覆いかぶさるように起始し、その間に腕橈骨筋や長橈側手根伸筋(ECRL)が走行している。浅頭は腱様組織として尺骨粗面に付着する。浅頭は深頭より遠位に付着するため、より強い肘関節屈曲作用を有する。深頭前内側線維は上腕骨前方から内側筋間中隔に起始し、下方に走行し筋腱様組織(特に内側が腱様組織)として尺骨鈎状結節中央から内側に幅広く付着することで、肘関節の初期屈曲に作用する。深頭下外側線維は上腕外側から外側上顆上稜に幅広く起始し、前内側方向に走行し、尺骨鈎状結節中央から外側と前方関節包に付着する。深頭下外側線維は肘関節屈曲時、articlaris cubitus(肘関節筋)として作用し、前方関節包を牽引することでインピンジメントの回避に寄与する。
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012
③Kawakami y.et al:specific tension of elbow flexor and extensor muscles based on magnetic resonance imaging.eur j appl physiol occup physiol.68(2):139-147.1994.
④llayperuma l.et al:re-visiting the brachialis muscle:morphology.morphology.morphometry.gender diversity.and innervation.surg radiol anat.41(4):393-400.2019.
⑤leonello dt,et al:brachialis muscle anatomy.astudy in cadavers.j bone joint surg am 89(6):1293-1297.
⑥ma jf.et al:brachialis insertion measurement:an anatomic cadaver study for plate fixation of the coronoid process fracture.clin anat.24(2):179-182.2011.
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