
基本情報
起始 | 腱性部:坐骨枝・坐骨結節 筋性部:恥骨下枝① |
停止 | 腱性部:内側上顆の上方の内転筋結節 筋性部:大腿骨粗線内側唇① |
支配神経 | 坐骨神経脛骨神経部① |
髄節レベル | L4・L5① |
作用 | 腱性部:股関節内転・伸展・外旋 筋性部:股関節内転・屈曲・軽度外旋作用① |
関連情報
・大内転筋の腱性部は、大腿の内側で伸筋と屈筋に分ける境となる。 ②
・大内転筋の両方の停止の間にある裂隙状に開口した孔を内転筋腱裂孔とよぶ。 ②
・大内転筋の筋性部(恥骨より起始する部分)は、股関節屈曲にも関与する。 ②
・大内転筋の腱性部(坐骨より起始する部分)は、股関節伸展にも関与する。 ②
・大内転筋の腱性部は内側広筋の起始としての役割をもち、大内転筋の活動は内側広筋の収縮効率にも影響を及ぼす。 ②
・大内転筋は大腿四頭筋とともに、いわゆる大腿部の太さに関与する筋である。大腿の萎縮例に対しては、大腿四頭筋のみならず内転筋にも配慮したトレーニングが望まれる。 ②
・明確な理学所見を認めない膝関節内側から下腿内側にかけての疼痛例では、内転筋管における不在神経の絞扼性神経障害が考えられる。同部での圧迫による放散痛が特徴である。③④
・股関節屈曲位での外転強制では、大内転筋腱性部での肉離れが生じやすい。 ②
・伏在神経絞扼性障害、内転筋断裂内転筋肉離れ、内転筋拘縮など。②
・大内転筋後部線維が最大の伸展モーメントをもち、大殿筋(4.6cm)よりも大きい。内転筋群のモーメントアームは肢位によって大きく変化する。内転筋群は伸展20°で屈曲モーメントアームを、屈曲50°以上ですべて伸展モーメントアームをもち、全体として股関節屈曲位では強い伸展機能を有していた。⑤
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 下肢・体幹 第1版,2019
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐下肢・体幹,2007
③大森英哉:下腹部・下肢の末梢神経ブロック.MB Orthop, 16(3):41-48,2003
④湯田康正:局所浸潤ブロック. MB Orthop, 8(6):179-188,1995
⑤dostal wf,sodeberg gl,Andrews jg:actions of hip muscles.phys ther.1986;66:351-61.
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