深指屈筋

基本情報

関連情報

・深指屈筋は、前腕掌側にある筋群の深層に位置し、筋腹はほぼ尺側半分に位置する。 ②

・前腕の中央部では、尺骨を取り込むように位置し、深層筋ではあるが皮膚の直下で触れることができる。 ②

・示指、中指に向かう深指屈筋は正中神経に支配され、環指、小指に向かう深指屈筋は尺骨神経に支配される。 ②

・深指屈筋は、DIP関節を屈曲さえる唯一の筋肉である。その走行上、PIP関節、MP関節の屈曲、手関節の掌屈にも関与する。 ②

・示指以外の深指屈筋は一般的に分離が悪く、環指から小指の深指屈筋を独立して動かせることができない。浅指屈筋と対比して覚えるとよい。 ②

・深指屈筋固有の筋力を評価したい場合には、DIP関節の筋力をみる。 ②

・フォルクマン拘縮で最も障害を受ける筋である。 ②

・示指から小指までのPIP関節の近位から遠位手掌皮線までの間は、屈筋腱鞘が非常に狭い。この部分での屈筋腱損傷の治療は非常に難しく、予後不良となる場合が多い。一般にno man’s land（人が踏み入ってはならぬ領域）とよばれている。 ②

・深指屈筋腱断裂、石灰腱炎、ばね指、フォルクマン拘縮、屈指、前骨間神経麻痺（正中神経高位麻痺）、肘部管症候群（尺骨神経高位麻痺）など。②

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著：セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第１版,2016

②林典雄 執筆：改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012