長母指外転筋

基本情報

関連情報

・長母指外転筋は、前腕伸展筋群の深層筋の一つである。 ②

・手関節の近位レベルにおける長母指外転筋は、長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱を押さえ込むように巻き込みながら、短母指伸筋とともに総指伸筋の深層へと進入する。 ②

・長母指外転筋腱は、短母指伸筋腱とともに第1区画を通過する。約60％で2つの腱を隔ててる障壁が存在する。 ②

・長母指外転筋腱は、短母指伸筋腱の橈側を併走する。 ②

・長母指外転筋は、母指手根中手関節（CM）の掌側を通過する。 ②

・長母指外転筋は母指CM関節の掌側外転に作用し、手関節にはその走行上、掌屈に関与する。 ②

・橈骨神経麻痺症例では、長母指伸筋や短母指伸筋より近位で神経が分布する関係上、両筋より早く回復徴候が現れる。しかし、母指の外転には正中神経に支配される

短母指外転筋が残存しているため、母指の外転ができるか否かを判断するのではなく、長母指外転筋に十分な収縮があるかを観察することが必要である。 ②

ドケルヴァン病では、短母指伸筋とともに疼痛の原因となる筋である。腱鞘の部分だけでなく筋腹にも圧痛を有する症例が多い。 ②

・関連疾患：長母指外転筋腱断裂、橈骨神経麻痺、後骨間神経麻痺、ドケルヴァン病など。②

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著：セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第１版,2016

②林典雄 執筆：改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012