ダブルヘッダーとは、1日のうちに数試合をこなすことを指します。
これは、プロ野球界ではまれに見られるスケジュールです。
ちなみにFIFAでは国際Aマッチにおいて48時間以内の試合を禁止しています。
しかし、学生の部活や社会人アマチュアスポーツ競技においては多々見られるスケジュールでもあります。
かく言う私も、小学生の頃、地方のサッカー大会に参加すると、1日に3~4試合することも珍しくありませんでした。
(ちなみに小学生の頃の試合時間は、ハーフ15分などと短いですけどね…)
そこで、1日2試合を乗り切るためのスケジューリングについて、
実体験をもとに説明したいと思います。
<レギュレーション>
・関東フットサルリーグ参入戦
・1日2試合(11:40、16:40)
・場所:群馬県渋川市(2月の極寒)
・試合会場まで車で2時間程度かかる
1.事前準備
1-1トレーニングメニュー
私は、シーズン中でも週3回の筋力トレーニング(胸、背中、下半身)のメニューをこなしていました。
しかし、今回のような「フットサル関東2部参入戦(1日に2試合)」という勝負のかかった試合前では、
2週間前より筋力トレーニングを行いませんでした。
理由としては、
・試合前での筋肉への負担を減らす
・筋力トレーニングによる免疫力低下による感染症の罹患を避ける
が挙げられます。
その分、ストレッチやピラティス、ヨガなどコンディショニングに力を入れました。
1-2カーボローディング
「カーボローディング」とは、1.5~2時間程度のスポーツ競技などに向けて、必要なエネルギーを蓄える栄養摂取方法です。
簡単に説明すると、
試合当日から3~4日前まで糖質制限を行い、その後試合当日まで高糖質食(食事量の70%が糖質)に切り替えることで、
体内に多くのエネルギー(グルコース)を蓄えることができるというメカニズムです。
ちなみに私の場合、2月でインフルエンザも流行っており、
免疫低下と感染を防ぎたいため、極度の糖質制限は実施せず、全体の食事量の40%の糖質摂取としました。
これに加え、「低脂質食」、「高タンパク食」を選択し、
「マルチビタミン」、「グルタミン」を摂取し、更なる感染症予防に徹底しました。
1-3前泊
早朝の長時間運転による
・精神的疲労による試合中の過度な緊張やミスを防ぐ目的や
・一定の姿勢保持による身体的疲労によるプレーのパフォーマンス低下を防ぐ
を目的として前泊を行いました。
ちなみに、2月という湿度の低い季節であったため、感染予防のために、持参の加湿器を持って行きました。
※しかも会場周囲は温泉街で、ゆっくりと温泉に浸かってリフレッシュ出来てラッキーでしたね!
2.1試合目前
2-1安静時心拍数
各選手に「会場に着き次第、安静時心拍数測っといて!」
と伝えました。
これは、
・普段の安静時心拍数と比較して、緊張の程度や体調の評価をすることができる
・1試合目終了した後のダウンの目安とする
(2試合目に向けてしっかりと安静出来ているかを各選手に管理してもらうため)
を目的とし実施しました。
2-2体温保持
会場の気温が4℃と極寒であったため、
・暖かいアウターの着用
・ホッカイロでの保温(大量に買い込みました!笑)
・必要に応じて、暖房の効いた車で待機
などの対応を取りました。
※夏であれば、この逆の対応とり、冷房の効いた車などで待機などの対策が望ましいでしょう!
2-3エネルギー摂取
事前準備として、朝食は糖質食を取ることをお勧めしています。
※私は当日の朝食は、できるだけ、脂質、タンパク質、野菜類などは抜きます。
(胃腸での消化に時間がかかるものはできるだけ取らないようにしています。)
また摂取時間の目安として、ウォームアップの3時間前を推奨します。
これは、固形物の消化吸収を考慮した時間であり、
ウォームアップ時点では極力胃腸に食物が少ない状態をキープしたいためです。
※しかし試合前に小腹が減るようであれば、ガムを噛んだり、ウィダーインゼリーなどのゼリー状の栄養食品を摂ることをお勧めします。
2-4テーピング、コンディショニング
選手の希望に応じて、テーピング(ホワイトテープ、キネシオロジーテープ、ソフトエラステープなど)
を巻き、
パフォーマンスアップのコンディショニングを徒手療法やエクササイズを施します。
※これを行うには、トレーナー兼選手の私1人ではキツイ!なので、チームトレーナーの協力が必須です!
2-5ウォームアップ
気温の低い環境の中であったため、
効率よく体温を温めるため、
・ダイナミックストレッチ
・負担にならない程度の軽い筋トレ
・ラダー
を中心に行いました。
3.1試合目終了後
辛くも勝利しましたが、3時間後には2試合目が待っています。
「おちおち休んでる」場合ではありません!
「次戦うために休む」のです!
3-1クールダウン(リカバリー)
まずは、1試合前に測っておいた安静時心拍数まで落ち着くまでウォーキングします。
その後、臥位から始まり深呼吸やリラクセーション系のストレッチを実施し、その後座位で筋肉に対してスタティックストレッチを実施しました。
※クールダウンではダイナミックストレッチなどエネルギーの消費するメニューは避け、身体的、精神的に落ち着いて行えるエネルギー消費を抑えたメニューをオススメします。
クールダウンの必要性については賛否両論ありますが、
・試合を振り返る時間
・身体の痛みや怪我についてのセルフモニタリングする時間
・食事摂取の準備のための安静時間の確保(心拍数を落ち着かせるきっかけ)
などの観点から、個人的にはクールダウンを推奨します。
3-2クールダウン終了後
3-2-1栄養補助食品(アミノバイタルなど)の摂取
クールダウン終了直後に、各選手に「アミノバイタル」を摂取してもらい、損傷した筋肉へのリカバリーを行います。
特に吸収率の速いBCAAを含んだものをオススメします。
3-2-2食事摂取
3時間後には試合になるため、
食事摂取は、
・糖質中心
・消化の良い食材
→おにぎり、サンドイッチ、バナナ、ゼリー飲料
水分補給は
・スポーツ飲料水
をピックアップして摂るように事前に伝えておきましたので、
消化時間を考慮し、
「時間制限」を設け摂取してもらいました。
(13時30分から14時30分までの間に食べて!)
3-2-3コンディショニング、ケア
食事摂取後、必要に応じて、
選手の疲労回復や外傷・障害処置を目的に、
コンディショニング、ケアを実施しました。
→スポーツマッサージ、ストレッチ、キネシオロジーテーピングなどなど
2試合目のウォームアップまで体温を保持するため、暖房の効いた選手控え室や車で待機させます。
4.2試合目前
4-1ウォームアップ
まず各選手の疲労度合いを聴取し、ウォームアップのオーガナイズを決めます。
私たちのチームはかなり消耗していたため、
相手チームは気合の入ったアップをしていましたが、
相手チームのペースに流されず、
ウォームアップを
・セルフストレッチを長めに、
・筋負担の少ない軽いラン系メニュー
を中心に短い時間(15分程度)で実施しました。
5.2試合目終了後
壮絶な攻防の末、PK戦にて勝利いたしました!
この勝利により、1週間後に参入戦の最後の試合が待っています。
歓喜に溢れる中、喜びの笑みをこぼしつつ、
クールダウンに入ります。
1試合目終了後のクールダウン同様、
リラクセーション、スタティックストレッチ中心に実施し、
時間的制約がないため、じっくり時間をかけてクールダウンを行いました。
6.まとめ
以上のように1日に数試合を乗りこなすには、
「体力の温存」がとても重要です。
そのために、
・環境やレギュレーションに合わせた準備
→前泊、体温保持など
・栄養摂取
→カーボローディング、栄養補給食品(アミノバイタルなど)、消化の良い食物(糖質中心)の摂取など
・コンディショニング、ケア
→クールダウン方法の検討、試合間のリカバリー(トレーナー介入)
をあらためて検討してみてはいかがでしょうか?
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