基本情報
起始 | 上腕骨外側上顆後面、肘関節包② |
停止 | 肘頭①、尺骨近位1/4後面② |
支配神経 | 橈骨神経① |
髄節レベル | C7・C8① |
作用 | 肘関節伸展① |
関連情報
・肘関節を伸展し、上腕三頭筋を助ける。②
・関節包より起始する線維は、インピンジメントを防止する以外に、後外側部の関節包を緊張させ、その安定性に関与すると考えらえる。②
・前腕の回内を伴って伸展すると、肘筋の筋活動は増強する。これは回内より生じる内反ベクトルに拮抗するための動的安定化と考えられる。②
・上腕骨外側上顆に圧痛を有する症例の多くは、短橈側手根伸筋等の付着部炎(外側上顆炎)であることが多い。しかし、回内、伸展で疼痛が誘発され、しかも外側上顆の後方で圧痛がある場合には、肘筋が引き金となった付着部炎である可能性が高く、詳細な鑑別が必要である。②
・関連疾患:上腕骨外側上顆炎、橈骨神経麻痺など②
・肘筋は尺骨後外側と外側関節包に付着する。また、起始部では上腕三頭筋と結合し、腹側では短橈側手根伸筋(ECRB)背側と結合し、その間にLUCL(肘外側尺側側副靭帯)が存在する。③ 肘筋は肘関節伸展と後外側回旋安定性に寄与し④、前腕回内位における伸展運動でその活動が高まる。⑤ 肘筋が上腕外側に起始をもち、橈骨頭後方を走行しながら尺骨近位および後方関節包に付着するように、上腕筋深頭下外側線維も上腕外側に起始をもち、関節前面を走行し、前方関節包および尺骨近位に付着する。両筋が共同収縮することでスリング機能としての尺骨の回旋安定性に寄与する一方で、外反方向に尺骨を牽引する。⑥
引用文献
①著者 中村隆一ら:基礎運動学 第6版,2009
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012
③Molinier f.et al.the anconeus.an active lateral ligament of the elbow. New anatomical arguments.surg radiol anat.33(7):617-621.2011.
④pereira bp:revisiting the anatomy and biomechanics of the anconeus muscle and its role in elbow stability ann anat.195(4):365-370.2013.
⑤bergin mj.et al:funvtional differences between anatomical regions of the anconeus muscle inhumans j electromyogr kinesiol.23(6):1391-1397.2013.
⑥reonello dt.et al:brachialis muscle anatomy a study in cadavers.j bone joint surg am.89(6):1293-1297.2007.
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