中間広筋

基本情報

起始大腿骨前面近位2/3①
停止膝蓋骨を介して脛骨粗面①
支配神経大腿神経①
髄節レベルL2~L4①
作用膝関節伸展①

関連情報

・中間広筋の最も深部からは膝関節筋と呼ばれる筋線維群が起始し、膝蓋上嚢に停止している。②

・中間広筋の筋線維角は大腿骨長軸にほぼ一致している。また、他の3つの筋肉に比べ腱成分が非常に少ない。②

・膝蓋上嚢は大腿骨顆部と膝蓋骨をつなぐ滑液包であり、膝蓋大腿関節の滑動性の効率化に寄与している。②

・中間広筋は膝関節の伸展に作用する。②

膝関節筋は膝関節の伸展とともに膝蓋上嚢を引き、挟み込みを防止している。②

・中間広筋の瘢痕化は著明な膝関節拘縮の原因となり、可動域の拡大を目的に、中間広筋の切離術が行われる場合もある。③

・大腿骨骨幹部骨折や大腿骨顆上骨折例では、受傷時点ですでに中間広筋の挫傷が存在するものとして運動療法を十することが望ましい。②

・膝蓋上嚢の癒着は膝蓋骨の運動性を重度に制限し、膝関節拘縮の大きな原因となる。②

・膝関節術後早期に実施される大腿四頭筋セッティングやSLR訓練は、膝関節筋を介した膝蓋上嚢への牽引刺激を加えることになり、拘縮予防の観点からも重要である。②

・関連疾患:膝関節拘縮、大腿骨骨幹部骨折、大腿骨骨折、中間広筋挫傷など。②

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 下肢・体幹 第1版,2019

②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐下肢・体幹,2007

③森谷光夫:大腿四頭筋拘縮症およびその他の筋拘縮症の診断と治療. MB Orthhop,9(13):63-69,1996

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