
基本情報
起始 | 第2~第5肋骨前面① |
停止 | 肩甲骨の烏口突起① |
支配神経 | 胸筋神経① |
髄節レベル | C5~T1① |
作用 | 肩甲骨外転・下制・下方回旋・前傾① |
関連情報
・烏口突起と胸郭を結ぶ小胸筋と屋根として、その深部を鎖骨下動脈、鎖骨下静脈、腕神経叢が通過する。②
・小胸筋は肩甲挙筋、菱形筋らとともに肩甲骨下方回旋に作用する。 ②
・肩甲骨が固定された状態では、胸郭を引き上げ、吸気を補助する。 ②
・小胸筋が直接肩から上肢に疼痛を引き起こす病態に、小胸筋症候群がある。 ②
・小胸筋症候群は大きく胸郭出口症候群に含まれる1つの病態であるが、上肢を外転したときの症状の発現が強いことから、別名過外転症候群ともよばれている。 ②
→小胸筋が攣縮状態にある場合、上肢挙上に伴う神経、血管の圧迫が強く加わり、疼痛が出現するとされている。 ②
・小胸筋症候群は小胸筋部の圧痛および放散痛が著明であり、斜角筋症候群、肋鎖症候群との鑑別が重要となる。 ②
・乳がんに対する広範囲乳房切除術では、小胸筋も切除されるため、術後肩甲骨の不安定化による二次的な肩関節障害が生じることがある。 ②
・肩関節不安定症のなかには、小胸筋、肩甲挙筋等の攣縮による不良姿勢が原因で、二次的に肩甲上腕関節の不安定性が出現していることがあるため注意が必要である。 ②
・小胸筋症候群、胸郭出口症候群、肩関節不安定症、広範囲乳房切除術後など。 ②
・上肢挙上運動中に拮抗筋として作用する小胸筋、肩甲挙筋、菱形筋群の過緊張、伸張性低下は、肩甲骨運動以上の原因となる。④⑤⑥ 具体的には、小胸筋の過緊張、伸張性低下は上肢挙上運動中の肩甲骨後傾、外旋を制限し⑦⑧、肩甲挙筋、菱形筋群は、上肢挙上運動中の肩甲骨上方回旋、内旋を制限すると考えられている。また肩甲挙筋は僧帽筋上部線維と同時に収縮することで肩甲骨挙上に作用する。しがたって、肩甲挙筋と僧帽筋上部線維の過緊張、伸張性低下は上肢挙上運動中の肩甲骨挙上を引き起こす可能性がある。③
・小胸筋短縮群と非短縮群を比較した研究では、短縮群で上肢挙上運動中の肩甲骨後傾、外旋が小さい結果を示した。⑺ また小胸筋に対するストレッチ介入後に、上肢挙上運動中の肩甲骨後傾、外旋が増加したとの報告もある。⑻ これらの知見は、小胸筋の過緊張、伸張性低下が肩甲骨運動に影響を及ぼす事を裏付ける根拠となっている。⑶
引用文献
①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016
②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012
③編集 甲斐義浩:肩関節理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く,2021
④ kibler wb.et al:clinical inplicationsof scapular dyslinesis in shoulder injury:the 2013 consensus statementfrom the ‘C summit’ brj sports med.47(14):877-885.2013
⑤ ludewing pm.et al:the association of scapular kinematics and glenohumeral joint pathologies j orthop sports phys ther.39(2) 90-104.2009
⑥cools am.et al:rehabilitation of scapular dykinesis:from the office worker to the elite overhead athlarte br j sports med.48(8)692-697.2014
⑦borstad jd.et al:the effect of long versus short pectoralis minor resting length on scapular kinematics in healthy individuals j orthop sports phys ther.35(4):227-238.2005
⑧umehara j.et al: scapular kinematics alterations juring arm elevation with decrease in pectoralis minor stiffness after stretching in healthy individuals.j shoulder elbow surg.27(7):1214-1220.2008
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