ボディメイクなどの筋トレや、
スポーツ選手の栄養補給など
で聞くことがある
マルトデキストリンについて述べていきめす。
【マルトデキストリンとは】
簡単に言うと、「粉カーボ(炭水化物)」と呼ばれるものです。
吸収効率が最も良いのはブドウ糖と言われていますが、
トレーニング中やトレーニング後などに取ろうと思うと、甘くて大量には摂取するのが困難になることがあります。
そこで、甘さがブドウ糖の1/10のマルトデキストリンも、ブドウ糖と同じ程度の吸収効率があると言われており、糖の摂取を負担を助けてくれるものとなっています。
ちなみに、
マルトデキストリン=ブドウ糖(グルコース)と思われることが多いのですが、実はデンプンを酵素分解したもので、「デンプンを酵素分解した後に残った粉」と捉えるのが正しいでしょう。
【マルトデキストリンをとるメリット】
血糖値補完によるパフォーマンスの維持向上
人間は本来、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)をエネルギー源として、トレーニングや試合などでパフォーマンスを発揮します。
トレーニング中や試合中に、高い強度の運動を強いられるため筋肉や肝臓の糖が使われ、血糖値が下がります。
血糖値が下がると、
・筋出力(瞬発力や最大筋力)
や
・持久力
が低下し、パフォーマンスは下がります。
そこで、マルトデキストリンを取ることにより、下がってくる血糖値を元に戻し、血糖値の補完が行えます。
いわゆるGI値が高い栄養になります。
筋分解抑制効果
先ほどの内容とやや重複するのですが、
トレーニングを行っていると、まず糖質から消費されます。
(おおよそ、①糖質→②タンパク質→③脂質と考えてもよい)
運動強度が高くなればなるほど、この糖質の消費は大きくなります。
トレーニングで筋肉や肝臓の糖質が消費され体内の糖質が枯渇すると、
新たにエネルギーを産生するため、
筋肉を分解してエネルギーに変換し出します。(新糖性)
そのため、この新糖性を生じさせないために、運動中やトレーニング中にマルトデキストリンを摂り、血糖値の補完を行なっておきましょう。
インスリン分泌によるプロテインの吸収効率の向上
トレーニング後には、成長ホルモンや成長因子などが増加するため、筋肉をつける絶好のチャンスになります。
そのため、トレーニング後にプロテインなどのタンパク質を摂ることが重要とされています。
インスリンは糖を細胞内に取り入れる糖代謝だけでなく、
筋肉組織での蛋白合成促進、アミノ酸の取り込み促進、アミノ酸の蛋白への取り込み促進
つまり、アミノ酸(タンパク質が分解されたもの)も細胞内に取り入れるタンパク質代謝にも関与しています。
そのため、
この時、タンパク質と糖質を同時に摂取してあげると、
プロテインの吸収率が高まると考えられています。
【マルトデキストリンを選ぶにあたって】
マルトデキストリンを大別すると、
・標準的マルトデキストリン
・多分岐マルトデキストリン(難消化性デキストリン)
に分けられます。
標準的マルトデキストリンとは、
後述する多分岐マルトデキストリン出ないものを指します。
いわゆる糖を摂取する効果のあるマルトデキストリンです。
多分岐マルトデキストリンとは、
炭酸水やトクホのジュースなどに含まれており、よく難消化デキストリンと呼ばれるもので、脂肪の吸収を抑えると言われるものです。これをトレーニング中や試合中などに摂取してしまうと、血糖値の上昇を抑えてしまう可能性があるので気をつけましょう。
そもそも運動中は、アドレナリンなどが分泌されているため、インスリン分泌を抑制し血糖値が下がらないようにはなっているのですが、それを補助する意味で、標準的マルトデキストリンの摂取をオススメします。
【摂取の量とタイミングは?】
摂取量は?
量は、一回に摂取するプロテインの量と同量でいいかと思われます。
「プロテイン30g=マルトデキストリン30g」
という感じです。
タイミングは?
目安としては、
①トレーニング中に1回目
これは、パフォーマンスを落とさないために取ります。
トレーニングされる方は、たまにあると思うのですが、
体調は万全なんですけど、トレーニング中に、眠くなったり、生あくびが出たりすることはありまへんか?
これは低血糖を起こしている状態です。
この時点ですでにトレーニングにおけるパフォーマンスの維持をするのに糖が枯渇している状態と言えます。
※経験的に、有酸素系のスポーツより、ハードな筋トレなどで起きることが多いイメージです。
有酸素運動では、酸素や脂肪を消費しエネルギー(ATP)を産生できるため、緩やかに低血糖になるため症状が出にくいのではないか?と思います。
筋トレでは、一気に糖質が消費されるため、急激に低血糖状態になり、上記の症状が出るのではないか?と思います。
マルトデキストリンは摂取後、30分後くらいに血糖値がピークになります。
そのため、眠気を感じた時ではもう遅いということになりますので、小まめに症状を伺いながら摂取することをオススメします。
②トレーニング後に2回目
トレーニング後のマルトデキストリンを取るメリットとして、
1つ目は、
インスリントランスポーターを開かせることで、タンパク質の吸収効率を上げる目的で摂取します。
トレーニング後は筋組織などの回復を促すため、タンパク質の摂取が推奨されますが、
その際に、糖質を同時に摂取することで、細胞内へのタンパク質の吸収を高められるといわれています。
せっかく栄養を取るなら、
糖質(マルトデキストリン) + タンパク質
のセットで栄養を摂取しましょう!
※糖質(マルトデキストリン) + 脂質 では、脂質の吸収を高めてしまうため摂取する栄養素のコンビネーションには注意が必要です!
2つ目として、
トレーニング後の低血糖状態を避けるために、摂取します。
これは、トレーニング後には糖質が枯渇し、代わりにタンパク質を分解しエネルギーを作り出す「糖新性(カタボリック)」が生じます。
糖新性が生じるとせっかく鍛えた筋肉が細くなってしまうリスクがあるため、
すばやく糖質(マルトデキストリン)を摂取することをオススメします。
【では、トレーニング前は?】
大事なのはトレーニングや試合前までに糖質をしっかりと蓄えておくことです。
もちろんマルトデキストリンを摂取してもいいですし、
大福など糖質の多い食材をとるのもアリです。
ただ細かいことを言うと、
マルトデキストリンを直前に摂ると、急激に血糖値が上がり、それにより多くのインスリンが分泌され、脂肪の分解が制限されてしまうこともあります。
よって、脂肪からのエネルギー補給ができにくくなると、パフォーマンスが落ちることが考えられるので、有酸素系の運動やスポーツなどの前の摂取には十分注意してください。
(しかし、しっかりとウォーミングアップしていればアドレナリンが分泌されるので、インスリンの分泌は抑えられるので、そこまで問題はないと思いますが…)
(また一気にではなく、小まめにとる分には急激な血糖値の上昇は抑えられるため、大きく問題ないと思います)
以上のことが気になる場合は、
やはり、消化時間のことを考える事が重要です。
例えば、
普通の食事→3~4時間前に摂取
ゼリー飲料やバナナ→1~2時間前に摂取
マルトデキストリン等の飲料→30分前に小まめに摂取
が望ましいと考えます。
【以上のように】
マルトデキストリンのメリットや種類、
量や摂取タイミングなどについて述べてきました。
今回は糖質メインでしたが、もちろんビタミンやミネラルも充分にとることも重要です。
お忘れなく!
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