【血糖値が低いとダメな理由】

血糖値と聞くと、

よく

「糖尿病」

を思い浮かべると思うのですが、

実は、スポーツやトレーニングにも影響を与える可能性があるのです。

今回は、

この血糖値について述べていきたいと思います。

【血糖値とは?】

 

血液中のグルコースの濃度を血糖値といいます。

(ちなみに、血液中のグルコースを血糖と呼びます。)

血糖値は、

空腹時は70110mg/dl、食後には一過性で120130mg/dlまで上昇ししますが、約2時間後には空腹時の値まで戻ると言われています。

血糖値は、一定の範囲で維持されており、その範囲を超えて高い値になると、糖尿病と診断されます。

血糖を一定の範囲に維持するために、

血糖値を下げる場合は、

すい臓のランゲルハンス島β細胞から

インスリンが放出され、

脂肪組織や筋肉へのグルコースの取り込みを促すなどして血糖値を下げます。

血糖値を上げる場合は、

すい臓のランゲルハンス島β細胞から

グルカゴン、アドレナリン、ノルアドレナリン、成長ホルモン、副腎皮質ホルモンが放出され血糖値を上昇させます。

また食事(主に糖質)を摂ることでも上昇します。

さらに肝グリコーゲンを分解させたり、肝臓において糖新性(身体の中でブドウ糖を作り出すこと)させたりすることによって血糖値を上昇させることが出来ます。

ちなみに、糖質を過剰摂取してもグリコーゲンの貯蔵量が増えることなく、過剰分は中性脂肪に変換されエネルギー源として貯蔵されますので、糖質の摂りすぎには注意しましょう。

【低血糖のデメリット】

 

低血糖だとパワーが出ない!

Journal of Applied Physiology」で発表された江島弘晃らの研究によると、

糖尿病によって生じる筋力の低下の原因は、筋量の減少だと考えられてきたが、最近では、糖尿病患者では同じ筋量でも筋力が低く、筋肉の質の低下が起こることが分かってきた。

とのことです。

この研究から考えられることとして、

 

①カルシウムイオンは骨格筋の収縮と弛緩という役割を担っている。

 

②細胞内にカルシウムイオンが放出されることで筋肉は収縮と弛緩を行える

 

③低血糖だと細胞内のカルシウムイオン放出が低下する可能性がある

 

④結果的に筋出力が低下し、「お腹が減っては戦は出来ぬ状態」になってしまうのである。

 

これは、糖尿病の方だけでなく、運動をされている方も体験したことがあるのではないでしょうか?

何も食べずに、トレーニングやスポーツを行った際に、

 

なんか力が入らない!

 

うまく動けない!

 

などと体感することはあると思います。

 

低血糖だと持久力が下がる!

 

エネルギーを生産するにあたり、

運動の強度、持続時間によって、エネルギー獲得機構はいくつかの種類に分類されますが、

基本的にエネルギー生産の順番は、

 

①筋グリコーゲン

 

②血中グルコース、血中の脂質

 

③筋分解(糖新性)

 

④体脂肪(脂肪細胞)

 

厳密には、①~④が同時並列的に使われるのですが、このように考えておくと分かりやすいです。

そもそも血糖値は、血中にある糖質の濃度を示すものであり、

当然のように、低血糖では、血中グルコースでのエネルギー生産がすぐに底を尽きてしまい、すぐにバテてしまいます。

そのため、運動をするにあたり、バテない持久力を維持するには、血糖値を一定の値に補完しておく必要があります。

低血糖だと筋肉が太くならない!

 

トレーニング後には、

体内のエネルギーは枯渇している状態になります。

そのまま栄養を摂らずに放っておくと、筋肉を分解して糖新性(いわゆるカタボリック)が行われてしまいます。

糖質の摂取には、体内のタンパク質分解抑制効果があります。

つまり、血糖値を下げないことで糖新性を防ぐことが期待できます。

そのため、トレーニング後には筋肉を痩せさせないために、充分な量の糖質の補給が必要になります。

同時にタンパク質も摂取してあげるとさらに糖新性(カタボリック)予防になりますので、一緒に摂ることをオススメします。

低血糖だと回復力や免疫力が低下する

 

体内のグリコーゲン量が低下すると免疫力が低下すると言われています。

またマウス研究ですが、グリコーゲンの経口投与がマクロファージの活性化できることも示唆されています。

そのため、適切な量の糖質の摂取は、風邪予防や感染症予防などに一役買うことになります。

また怪我などの回復に必要なタンパク質合成を効率よく行うためにも糖質は必要になるため、

疲れている時こそ、怪我している時こそ糖質をしっかり摂りましょう!

【まとめ】

 

低血糖になると、

 

①低血糖だとパワー(筋出力)が低下する

 

②低血糖だと持久力が低下する

 

③低血糖だと筋肥大しにくい

 

④低血糖だと回復力や免疫力が低下する

ということが分かりました。

このような低血糖を防ぐためには

トレーニング前、トレーニング中、トレーニング後と

適度に糖質を摂取することをオススメします。

ならびに、糖質だけでなくタンパク質やビタミン、ミネラルもしっかり摂ることでさらなるパフォーマンスアップが見込めますし、怪我予防や回復力向上にも繋がります。

 

<参考資料>

Dysfunction of muscle contraction with impaired intracellular Ca2+ handling in skeletal muscle and the effect of exercise training in male db/db mice

角谷 亮 :酵素合成グリコーゲン (ESG) の免疫賦活効果とそのメカニズム,応用糖質科学 第 4 巻 第 3 209―211 (2014)

鈴木志保子:基礎から学ぶ!スポーツ栄養学

 

 

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