上腕二頭筋短頭

基本情報

起始肩甲骨烏口突起①
停止橈骨粗面、前腕屈筋腱膜①
支配神経筋皮神経①
髄節レベルC5・C6①
作用肩甲上腕関節屈曲・内転・内旋、肘関節屈曲、前腕回外①

関連情報

・上腕二頭筋の長頭が肩甲骨関節上結節、短頭が烏口突起からなり、橈骨粗面に付着し、強力な回外作用をもつ。また一部は上腕二頭筋腱膜を介し、正中神経・上腕動脈を押さえながら、前腕回内筋群筋膜に付着する。③

・肘関節伸展時の運動は蝶番のような単純な動きに留まらず、その運動軸が変化することからスクリュー④やvortical flow(渦流)⑤に例えられる。肘関節の屈曲ー伸展軸は、内側では内側上顆下端部にあり軸の移動が少ないのに対し、外側は伸展に伴い消灯中心を時計回り(右肘)に移動し、スクリューの様に変化する。⑥ 肘伸展では、関節軸の動きが大きい肘関節外側にある腕頭関節の可動性が重要となる。肘観閲伸展時、橈骨頭は小頭上を後方に下がり、わずかに内方に移動する。⑦ 橈骨粗面に付着する上腕二頭筋のタイトネスは橈骨頭の後方可動性を減少させる。③ また、前腕回内拘縮による橈骨頭の前外側偏位も、この橈骨頭の後内側可動性を減少させる可能性がある。③

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 上肢 第1版,2016

②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐上肢,2012

③編集 坂田淳:肘関節理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く,2020

④bottling m.et al:assessment of elbow joint kinematics in passive motion by electromagnetic motion tracking j prthop res.18(2):195-202.2000.

⑤adikrishna a:vortical flow in human elbow joins:a three-dimensional computed tomography modeling sutudy.j anat.255(4):390-394.2014.

⑥goto a.et al:three-dimensional in vivo kinematics during elbow flexion in oatients with lateral humeral condyle nonunion by an image-matching technique.j shoulder elbow surg.23(3):318-326.2014.

⑦goto a.et al:in vivo elbow biomechanical analysis during flexion:three-dimensional motion analysis using magnetic resonance imaging j shoulder elbow surg.13(4):441-447.2004.

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