長内転筋

基本情報

起始恥骨結節の下方①
停止大腿骨粗線内側唇の中1/3①
支配神経閉鎖神経①
髄節レベルL2~L3①
作用股関節内転・屈曲・内旋①

関連情報

・長内転筋の起始は大変強靭かつ最も前方に位置するため、視覚的にもレリーフが明瞭であり判別しやすい。 ②

・長内転筋は股関節内転し、屈曲する。 ②

・長内転筋は大腿骨側が固定された場合には、恥骨を引き対側骨盤が下制し、あわせて前傾する。 ②

・長内転筋は屈曲60°を境に屈曲、伸展作用が逆転する(60°未満:屈曲に作用、60°以上:伸展に作用)。 ②

・軽度外旋作用をもつ。 ②

・大腿義足の作成の際には、長内転筋に対するチャネル(溝)を形成し機能の低下を防止する。 ②

・大腿義足の四辺形ソケットの内壁の前後径は、坐骨結節から長内転筋腱までの長さから1/2インチ(=12.7ミリ)引いた長さが基本である。 ②

・股関節伸展、外転強制の際には、長内転筋が最も損傷しやすい。 ②

・関連疾患:大腿切断、内転筋断裂、内転筋肉離れ、内転筋拘縮など。②

・長内転筋は腹直筋・恥骨結合関節包には強い筋膜的連続性がある③ 

・恥骨結合炎の機序として、恥骨結合部の剪断力増加や、長内転筋と腹直筋の収縮による反復的ストレスによって生じる。と推察されている。③④⑤

・内転筋損傷は鼠径部に生じる筋損傷で最も多く、なかでも長内転筋の近位筋腱移行部損傷が多い。アスリートの鼠径部痛のなかでも最頻で57.5~62%に存在する⑥⑦

→臨床所見上、長内転筋起始部の圧痛、伸張時痛や抵抗時痛が認められる。Robertsonらは、これらの疼痛は腱障害ではなく、腱付着部の炎症によるものと考察した。

・Cahrnockらは、サッカーのキック動作の内転筋活動を測定した。内転筋の遠心性活動が最大となり、最も伸張されるのはスイングフェイズの30~45%であり、この時期に筋損傷を生じるリスクが高いと考察した。さらに長内転筋の最大筋活動および最大伸張速度、股関節最大伸展角度が出現するタイミングから、長内転筋は股関節の伸展および屈曲開始のコントロールを補助していると考察された。このことから、強いキック動作時の股関節最大伸展角度の増加は内転筋損傷のリスクを増大させる可能性がある。③⑧

・鼠径部痛症候群における内転筋群の過緊張の原因として骨盤及び股関節のマルアライメントが挙げられる。まず長内転筋の過緊張の原因として恥骨結合の変位が挙げられる。これは長内転筋の付着部の一部が恥骨弓靱帯と合流⑨しているためと考えらえる。この場合、恥骨結合の偏位の解消によって容易に長内転筋の過緊張は解消される。⑨

・慢性的な内転筋肉離れ症状を有するアスリートでは健常アスリートと比べて、片脚立位で股関節を屈曲する課題で、長内転筋に対する中殿筋の筋放電量の比率が低い。⑩

・コンプレッションショーツは健常者においてカッティング中の長内転筋の活動を軽減させる効果があり、内転筋由来のグロインペイン患者において内転筋の活動や痛みのコントロールに役立つ可能性がある。⑪

引用文献

①林典雄 監修,鵜飼建志 編著:セラピストのための機能解剖学的ストレッチング 下肢・体幹 第1版,2019

②林典雄 執筆:改訂第1版 運動療法のための機能解剖学的触診技術‐下肢・体幹,2007

③福林徹 蒲田和芳 監修:骨盤・股関節・鼠径部のスポーツ疾患治療の科学的基礎,2013

④garvey jf,read jw,turner a:sportsman hernia:what can we do?hernia.2010;14:17-25.

⑤omar im,zoga ac,Kavanagh ec,koulouris g,bergin d,gopez ag,Morrison wb,Meyers wc:athletic pubalgia and”sports hernia”:optimal mr imaging technique and findings.radiographics.2008;28:1415-38.

⑥holmoch p:long-standing rtoin pain in sportspeople falls into three primary patterns,a”clinical entiy”approach:a prospective study of 207 patieles. Br j sports med.2007;41:247-52:discussion 252.

⑦morelli v,smith c:groin injuries in athletes.am fam physiciam.2001;64:1405-14

⑧charnock bl,lewis cl,garrett we jr,queen rm:adductor longus mechanics during the maximal effort soccer kick sports biomech.2009;8:223-34.

⑨robinson p,salehi f,grainder a,cle,emcee m,schilders e,o’connor p,agur a:cadaveric and mri study of the musculotendinous cantributions to the capsule of the sumphysis pubis.arj am j roentgenol.2007;188:w440-5.

⑩Morrissey d,et al:coronal plane hip muscle activation in football vode athletes with chronic addyctor groin stain injury during standing hip flexion.man ther.17⑵:145-149.2012

⑪chaudhari am.et al:hip adductor activations during run-to-cut manoeuvres in compression shorts:implications for return to sport after gron injury j sport sci.32⒁:1333-1340.2014

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